【コラム】保釈保証書による保釈について(新たな運用)

2013-07-03

本日は、保釈についてお話いたします。

刑事事件を起こしてしまうと、10日ないし20日間の勾留を経て、検察官から裁判にかけられてしまうことがあります。
裁判にかけられると、通常は、勾留がそのまま継続し、そのまま何もしないと、裁判が終了するまで、ずっと勾留が
続くことになってしまいます。
もっとも、裁判にかけられた後については、ある一定の条件を満たしている方については、裁判所から保釈が許可されます。
保釈とは、身柄を釈放してもらえることです。

ところが、保釈が認められるためには、ある程度高額の保釈保証金を納めなければならない決まりになっています。
事案やその方の資力等によっても異なりますが、最低150万円くらいと考えた方がよいです。
テレビニュースにも流れるような有名人の事件ですと、保釈保証金が億単位であるなどということもあります。
この保釈保証金は、本人が逃げないようにするために納めるお金ですから、きちんと約束通り裁判に出頭すれば、必ず全額返金されます。
たとえ、実刑の有罪判決を受けたとしても返金されます。反対に、裁判に正当な理由なく出頭しないと、没収されてしまいます。

と、建前は以上のとおりなのですが、現実問題として、この保釈保証金を準備することができず、
本来は保釈が認められてもよい方について、保釈ができないというケースが多々あります。
一般社団法人日本保釈支援協会というところに申し込みをすると、保釈金の支援をしてくれることがありますが、
本人以外の近親者の申込者が必要であること、比較的高額の手数料がかかること、審査が入ることもあり、なかなか利用できない
こともあります。

これまでの運用は以上のとおりなのですが、この7月から東京23区で新たな運用が始まりました。
刑事訴訟法94条3項では、「裁判所の適当と認める被告人以外の者の差し出した保証書」をもって保釈保証金に代えることができると
定められております。全国弁護士協同組合連合会がこの保証書を発行する事業が開始されたのです。

この運用のポイントは、
1 保釈保証金の2%の手数料がかかること(最低金額1万円)
2 保釈保証金の10%の自己負担金を預託すること
3 利用には審査が入ること
4 近親者の申込者が必要であること
です。
自己負担金については、きちんと裁判に出頭すれば返金されます。
保釈保証金全額を用意する必要がなくなる分、資産が必ずしも十分でない方についても利用しやすいものかと思います。
この運用は、23区内の事件について試験的に開始されたもので、他の地域については、現状ではまだ開始されていないようです。

2013年7月3日 弁護士 濵川俊

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